PROJECT

非鉄製品事業部

新素材グループ グループリーダー|2002年入社

定岡 俊之Sadaoka Toshiyuki

新素材グループ 課長代理|2008年入社

村田 啓介Murata Keisuk

新素材グループ|2015年入社

宮本 裕紀Miyamoto Yuuki

※個別連絡による業務の妨げを防ぐため、仮名にて掲載しております。

「俺たちの手で、航空機業界を攻略する」
新たな市場を開拓した、営業マンたちの挑戦。

PROJECT

01

「攻め手なし」
から始まった営業活動。

その挑戦は当初、ただ一人の社員によって始まった。
名古屋、そして大阪の支店で、一貫して非鉄製品の分野で実績を積んできた定岡。自動車部品業界や建材建築業界向けの非鉄製品販売を手がけてきた彼の新たなミッションは、航空機業界を開拓してアルミ合金などの製品を販売するというものだった。しかし当時の豊通マテリアルにはまだ、航空機業界への販売実績はない。「どんな営業活動をすれば良いのか」と戦略を立てる以前に、使用されている部品のことや、どんな企業がそれを生産しているかなど、基本的なことすら分からなかった。
「航空機メーカーの窓口を紹介してもらい営業活動をしようとしましたが、部品を提案できるほどの知識がありませんでした。とはいえ、何の用事もないのに会っていただくことはできません。手ぶらで訪問するわけにもいかないので、ある提案を携えていくことにしました」その提案とは、航空機メーカーに対して、トヨタの生産システム「JIT(ジャストインタイム)」を提案することだった。JITとは、ムダを徹底的に排除して生産や調達を効率化する方法のこと。これを航空機メーカー向けにアレンジし、部品調達の効率化につながるスキームとして提案する。部品調達や在庫管理に関して、従来の航空機業界で当たり前とされてきた方法を見直すことができれば、在庫量や調達コストの削減に貢献できる。いわば、トヨタの文化を持つ商社だからこそできる改善提案だ。そうした定岡の提案は、航空機メーカーから好意的に受け止められた。

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02

目標実現のために、
どんな戦略を立てるか。

しかし、JITを柱とした提案は評価されたものの、そこから一足飛びに商品の受注に至ることはなかった。部品の購入先を決める際はできるだけリスクを回避し、今までのやり方を変えることには慎重でありたい。それが、「安全」という重責を負う航空機メーカーにとっての、常識的な考え方だった。そのため、豊通マテリアルが部品の提案を行っても、簡単に採用が決まることはなかったのだ。
長期戦に入った提案活動。その過程で定岡のグループに加わったのが、宮本である。
「宮本が加わってくれたことで、提案活動が一気に加速しました。また、私にとって大きかったのは、相談相手ができたことです。仕事の進め方を相談できる相手がきてくれたので、正直ホッとしました」
宮本は中途入社で、豊通マテリアルに入るまでは営業の仕事は未経験。防衛大学校出身で、航空自衛隊を経て商社マンに転身したという、この業界では珍しい経歴の持ち主である。
「自衛隊と商社の仕事。業態は全然違いますが、仕事の流れ自体は『あまり変わらないな』というのが私の率直な実感です。どちらの仕事にもまず、戦略が必要です。豊富な情報を集めた上で、『ここを攻略する』というポイントを見つける。お客様が何を求めているかを把握し、その目的を達成する方法をPDCAの視点で詰めていく。そのプロセスは、自衛隊時代に学んできた目標達成のプロセスと基本的に同じだと感じています」
さらにスピードを増した営業活動。その結果、航空機メーカーA社・B社と、ほぼ同じタイミングで長期契約を結ぶことに成功した。そしていよいよ、残す営業先は大手航空機メーカーC社のみ。攻略のハードルは高いが、豊通マテリアルはすでにA・B社に対する納入実績があり、そのことが功を奏した。これまでのさまざまな提案が信頼獲得につながり、念願だったC社との長期契約を結ぶことに成功。営業活動を開始してから実に約4年もの時間が経過していた。

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03

豊通マテリアルに
任せておけば大丈夫。

航空機メーカー3社との契約は、豊通マテリアル、そして豊田通商グループにとって、航空機業界への本格参入を意味する大きな出来事だった。その時のことを定岡はこう振り返る。
「想像していた以上に社内からの反応が大きかったですね。上司や同僚から『本当に獲得できたんだ!』というような驚きの声を聞きました」
航空機メーカーC社との契約。ちょうどその頃、新素材グループに異動したのが、村田である。村田は、航空機業界向けのビジネスに関わった経験を持つ社内でも数少ない営業マンだ。大阪支店で航空機関連のビジネスに携わった経験を活かし、C社の担当として今後の取扱量の拡大に対応することが期待された。
「大阪時代の経験があるとは言っても、商品の取扱量は桁違いに増えます。お客様にいろいろなことを教えていただきながら、仕事を組み立てていく必要がありました。日本を代表する航空機メーカーを相手にビジネスをすることに、大きなやりがいを感じました」
業務の立ち上げ準備をするために、村田は約3か月の間C社に常駐。顧客内のさまざまな部門の調整を図りながら、JITのスキームに基づいた調達方法を提案していった。
「軌道に乗るまではさまざまな苦労がありましたが、うまく商品が流れ出した時はとてもうれしかったですね。自分たちが取り組んできた仕事の成果が出始め、JIT導入の効果をお客様に実感していただけたことに喜びを感じました」
その時村田が感じたのは、自分たちに対する顧客の期待感と安心感だったという。困難な状況に遭遇しても、豊通マテリアルなら何とかしてくれる。そういう評価の言葉を顧客の担当者たちから直接耳にするたびに、この仕事に対する使命感が自分の中でさらに強まっていくのを感じた。

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04

「挑戦してみろ」と
背中を押す会社。

新素材グループが航空機メーカー各社への提案活動を進めていた頃、業界ではある大きな動きが進められていた。それは、国産初のジェット旅客機「MRJ」の事業化である。ニュースなどで盛んに報じられている通り、国産のジェット旅客機を誕生させるこの取り組みは、国を挙げての一大プロジェクトだ。
「航空機メーカーは、国家的なプロジェクトの成功という大きな命題を背負っています。そこで重要になるのが、国産旅客機の製造販売に注力できる体制を作るために、人、モノ、金というあらゆる資産をさらに有効活用することです。航空機メーカーの体制を見直すような大きな転換期だったからこそ、資材調達の円滑化につながる私たちの提案を受け入れていただけたのだと思います」と定岡は振り返る。
日本中が注目するプロジェクトの成功を、世の中の人々の知らないところで支えている。そして今後は実際に、国産航空機用材料の一部を豊通マテリアルが供給していくことになる。豊通マテリアルは今、未知の事業へと挑むための重要なパートナーとして、その存在を航空機メーカー各社に認められているのだ。
「ただ、提案が採用されたことだけで満足するわけにはいきません。我々は今後、競合の商社から追われる立場になります。その競争に打ち勝つためには、次を見据えた提案が必要です。たとえば、部品の調達だけではなく、生産計画の立て方などさらに踏み込んだ提案をする。あるいは、単に部品メーカーから仕入れた部品を納入するのではなく、我々の手で加工してひと手間加えた部品を販売する。やるべきことはたくさんあると思います」と宮本は意気込みを語る。
新しいことに挑戦する際に必要なのは、自分の中で明確な意志を持つことである。逆に言えば、その気持ちがなければ何も生まれない。社員一人ひとりが現場から声を上げ、やりたいことを形にしていく。そうした意欲を積極的に受け入れる風土があることが、豊通マテリアルの特徴だ。
「『こんなことにチャレンジしたい』と提案した時、まず『やってみろ』と言われるのが、豊通マテリアルという会社です。『新しいものを現場からどんどん突き上げてこい』というのが当社の基本的なスタンス。自分の力で何かを獲得したい人にとっては、とても魅力のある会社だと思います」と村田は言う。
航空機業界の開拓というチャレンジを成し遂げた3人の営業マンは、次々に目標を見定めてそれに挑んでいくこの会社での日常を、心から楽しんでいる様子だ。

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